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1か月健診のケイツーシロップについて
院長ブログ
2021年08月19日(木)
当院でも、1か月健診をさせていただく機会が増えてきました。
毎回質問を頂くのが、ケイツーシロップの投与についてです。

赤ちゃんはもともと出血を予防するためのビタミンKが不足しており、出血を起こしやすいことが知られておりました。
ビタミンK不足による出血は、新生児4000~5000人に1人に起きるとされ、生後6カ月頃まで、下血をきたしたり、頭蓋内出血をきたしたりすることがありました。
そのため、1989年に厚生労働省が、ケイツーシロップ(=ビタミンK)を日本全国すべての赤ちゃんに投与するよう提言しました。出生時と、生後1週間、生後1か月の3回投与をすることとし(3回法)、出血をきたす赤ちゃんは1/10まで減少しました。
しかし、3回法でも日本で毎年数十例の赤ちゃんが頭蓋内出血をきたすことがわかっています。
欧米では、ビタミンKを毎週投与することでほぼ0に抑えることが可能と報告され、日本でも2010年に出生時から生後3カ月まで、毎週投与(計13回投与、3か月法)を推奨するようになりました。
2021年の日本小児科学会の報告では、3回法では、11例の頭蓋内出血をきたしましたが、3か月法では、頭蓋内出血をきたした赤ちゃんはおらず、副作用も報告されておりません。

毎週投与する手間がありますが、それ以上に出血を予防できるメリットのほうが大きいと考えられ、当院では3か月法をお勧めさせていただいております。

ケイツーシロップの飲ませ方も指導しておりますで、ご安心ください。